【仕事】ミステリアスな隠岐の島へ


9月後半は仕事で隠岐の島に出ていました。


カリスマのもとで団結して戦い、わずかな富を奪い合うのが「大陸」。

和をもって尊しとなし、身の回りの豊かなものを必要な分だけとって、分け合うのが「島」。


男性を頂点とする”父”の宗教として、一神教が多いのが「大陸」。

女性を頂点とする”母”の宗教として、自然信仰&多神教が多いのが「島」。


というのは世界のどこを旅しても感じるのですが、隠岐の島の「島」感はダントツでした。

もう、日本の本島を大陸に感じるほど。

まさに、島の中の島。


貴重な黒曜石がとれたことで古来から命がけで海を渡り、訪れる者が多かったといいます。

人がいれば、神も来る。

だから、この島には今も神さまがたくさんいらっしゃいます。

そして、この島ではなんと、海水ではなく真水がわき、田んぼでお米がとれるのです。

防波堤のそばをタイが泳ぎ、イカが寄せてくる島。

港には、ランプを吊るしたイカ釣り船がたくさん揺れていました。


食べていくのに困らない豊かな場所だったから、

天皇や上皇といったやんごとなき人々を流す流刑地に選ばれたと言います。


うーん、脱出できないアルカトラズの日本版?

(と思ったら、後醍醐天皇が思いっきり脱出してました。まじかー)


ここには、和を重んじる「島」らしいカルチャーもいっぱい。


ほえー…と思ったのは、村対抗で行う相撲の神事のお話。

初戦はそれぞれが本気で戦い、つづく次戦では1戦目の勝者が相手に勝ちをゆずるそうです。

個人の戦いではなくて”村”対抗の神事だから、

決定的な勝者を作らないようにする配慮があると聞きました。


さすがはじゃんけんを生み出した島国ニッポン、そのエキスが凝縮されたような話だなあって。



植物も変わっていて、とある北方植物の南限であり、とある南方植物の北限でもあり。

本来なら決して隣合わない植物が、仲良く並んで生えていたりします。


滞在中の3日間にわたって「そんなことあります???」って

言い続けてしまったほどミステリアスな離島でした!




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矢口あやは | 仕事まとめ ライター・編集・イラストレーター 編集プロダクションでの編集業務を経て、2013年にライターとして独立。雑誌・WEB・オウンドメディア・書籍などの制作を中心に活動。旅や歴史、カルチャーなど、人や土地の物語を丁寧に伝える記事づくりを得意としています。 お仕事のご依頼はこちらからお願いいたします→ yaguchi.a■gmail.com(■=@)